入職して半年が経ちました。
児童棟に行くと「せんせい、あのね」と声をかけてくれる子ども達が増えて来ました。
大半は、「鼻が詰まる、足が痛い、先生、今度いつ病院行くの」など……。
しかし、一部の子どもは「ここがね」と、小さな気付かないような傷を指で示して見せに来ます。カット絆を貼ると満足したように遊び始める。
又、通院の行き帰りの車の中では、自分の今の思いやこれからの事を話してくれるようになりました。
少しずつ看護師として受け入れてもらえてきたのかなと思える日々です。
50年代に小学1年生の担任の先生が子供との連絡帳のやり取りを綴った本を「せんせい、あのね」というタイトルで出版したのが話題になりました。
家庭では話せない子どもの気持ちが表現されていたのです。
私も子どもが通っていた保育園の先生から「お母さん達は、私たちがお家の事何も知らないと思っているでしょう。
実は子ども達は、結構お家での親御さんの事とか、出来事を話してくれるんですよ」と言われた事を思い出しました。
子どもにとって親とは違う存在の人に自分の思いを話せる相手がいるのと、いないのでは心の成長に大きな差が出てきます。
まして、園には表現が拙い子供や、言葉を持たない子供がいます。少しでも「せんせい、あのね」の言葉や、表現が多く見れるような支援が出来たらいいなと、あらためて思った新年の始まりでした。
入所部 看護師 米村郁子