若草学園の実践ブログblog

自立に向けて

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若草児童学園は、福祉型障がい児入所施設として、18歳までの児童が入所し生活しています。それぞれに入所の目的はありますが、成長期の子ども達です。それぞれの出来る部分を少しでも増やしていき、自立に近づけていくという目的もあります。

 

 以前は、外遊びも職員見守りの中で行っていましたが、今現在は、より自立に近づかなくてはならない児童に限り、約束事を決め、自己責任の下自分達でサッカーなどして楽しんでいます。色んな特性のある子ども達ですが、信用して任せられると、いつも以上に友だちの事を考えられたり、けんかになりそうな時も回避出来たり、いい面が見られる様です。もちろん、いつもいいばかりではありません。時には些細な事でケンカになってしまったり、部屋に入る時間が守れなかったり、さまざまな失敗もあります。そんな時は、何が守れなかったのか、どうしたら良かったのか、次からどうするのかを考えさせるようにしています。いつも職員が守りながら安全に過ごさせるばかりではなく、自己責任であったり、社会性であったり、経験しながら覚えていく事は大事と、学園の支援方法も、子ども達に合わせ変わってきています。

 

 休日などは、外出届を書き、近くのお店でおやつを買ったり、公園で遊んで来たり、普通の家庭の子ども達がしているような経験を積んでいます。いくら使うのか、何時に帰って来るのか等決め、17時ギリギリに慌てて帰って来た時は、時間を守ろうと頑張った事をしっかり褒めました。先日は、えがお健康スタジアムまで、自転車で出掛けました。結構な距離です。張り切って出掛けたものの、かなりきつかったらしく「遠かった~!」と言ってへとへとで帰って来ました。「もう二度と行かない」と言っていた子ども達ですが、何となく達成感は感じたようでした。帰る時間は守れませんでしたが、振り返りをしながら、自分達で経験した事で、距離感や自分たちの出来る範囲を、身を持って感じる事が出来たようです。

 

 失敗は成功のもと。何でも経験し失敗して覚えていくものだと思います。私たちもそうやって大人になって来たのだと改めて思い返します。そう思えば、約束事を決め、それが守れなかった時はしめしめ!絶好のチャンス♪ ただ叱るのではなく、子ども達自身で考えさせ、次にどうするのか決めさせる。そうやって学んだことは、必ず子ども達にとって良い結果に繋がると思います。

 

 社会に出て自立する為、できるだけの経験と考える力と社会性を学んで欲しいと思っています。さてさて、次はどんな事をさせてみるか、どんな失敗をしてくれるか…楽しみです。

 

入所部 松村