学園には、いろいろな子どもたちが入所しています。
その中で、イライラしてしまうと、壁をけったり、
物を投げたりしてしまう子どもがいます。
話しを聞くと、理由はいろいろあって、
「自分のものを触られた。」
「自分がしていたことを邪魔された」
など・・・
確かに。
それは怒ってしまうよね・・・
と思うこともあります。
ただ、そのあとの行動は褒められたもの
ではないと思います。
その園児の話を聞くと、
「あいつ俺を怒らせたから、俺は悪くない!!」
壁を蹴ったことを注意すると
「なんで俺ばっかり怒るの!」
と怒って返事をしてきます。
『これは、場面を分けてあげなきゃいけないな』
と感じました。
場面を分けるってどういうこと?
って思いますよね。
私が感じた場面を分けるとは、
「相手から嫌なことをされてイライラした」と
「イライラしたから壁を蹴った」
の二つです。
この子どもの考え方は、
「相手が嫌なことをしたから、
俺はイライラして壁を蹴った!」
「相手=壁を蹴る」
になていて、
自分がしたことは悪くない。相手が悪い!
という考え方でした。
だから、
「自分のものを触られて嫌だったんだね」
「確かに怒るよね。それは仕方がない」
と子どもの気持ちを受け入れ、そして
「でもイライラしたあと壁を蹴ったのは誰?」
「壁を蹴ることはいいことかな?」
「イライラした時に、言いに来ることもできるよね」
と壁を蹴ったことはいけないことだと伝えました。
「相手=壁を蹴る」
のではなく
「相手=イライラした感情」
「イライラした自分=壁を蹴る」
という2つの場面にわけて話をしました。
「人がした行動で自分の感情が揺さぶられることと」
「自分の感情が高まったから行動を起こす」
この二つの場面を分けないと
「自分を怒らせた相手が悪くて、自分は悪くない」
という考えでしか物事を解決できなく
なる心配があるのではないかと思います。
「怒る」ことは人間らしい感情で
けして悪いことではないと思います。
ただ、その怒りの表現方法は、
選ぶことができます。
物や壁に当たらなくても、怒っていることを誰かに伝える。
カラオケなど大きな声を出して発散する。
走るなど体を動かして発散する。
自分が感情的になった時に
後から後悔するような行動で発散するのではなく
違う発散方法も一緒に見つけていきたいと思います。
そのためにも、
客観的に見て、上手に伝えながら一緒に
良い方向へ進んでいけるように
寄り添っていきたいと思います。
入所部 藤本絢子