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「スマホ・ネットとのつきあい方」

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今月の「子どもの発達セミナー」では、熊本大学准教授の前田康裕先生にお越し頂きました。

前田先生からの話は、「スマホを取り上げるのではなく、スマホ・ネット・ゲームと、どうつき合うか!?」でした。

特に、男子はゲームやユーチューブなどに没頭する傾向にあり、女子は、SNS等を通じて出会い系を求める傾向にある事がわかりました。

子どもだけに限らず、大人も同様の傾向にあります。

没頭してしまうことで昼夜が逆転してしまい、子どもであれば不登校、大人であれば仕事が続かなくなってしまうなど、健全な社会生活を送れなくなってしまうことに繋がっていきます。

しかし、今の時代、スマホ等の電子機器を一切持たずに生活することはできません。

 

私たち大人は、「小中学生に(スマホ)はまだ早い!」とか「高校生になったらいいかな」など、つい年齢的な判断基準で考えてしまいます。

「高校生になれば、使い慣れるはず」、

「高校生にもなれば、インターネットの危険性についても知っているはず」、

「わざわざ親が教えなくても学校で教えられたりして分かっているはず」、

「(まさかー)うちの子は大丈夫!」などと考えがちです。

 

子どもたちは、スマホ等の機器を巧みに使いこなしますが、インターネット上の法律やルール、社会の中でのマナーやモラル等の知識や経験が十分に身についているとは限りません。インターネットの世界でも実社会と同じように、守らなければならない法律やルールがありますし、人と人とが付き合う上でのマナーやモラルを守ることも必要です。

 

生活に欠かせない「車」や「包丁」と同様、「スマホ」も、便利で生活に欠かせないものになっている反面、人を殺めたり傷つけたりと凶器にもなり得るのです。

概ね3歳から始まる「我慢できること」「自制心を育てること」は、「約束(ルール)を守れること」に繋がります。

 

 前田先生が強く伝えられていたことは、乳幼児期から『心を育てること』の大切さでした。

「心が育っていないと、犯罪に繋がる可能性がある」ということです。

 

『子どもの心を育てる』のは、規則正しい生活習慣と充実した親子関係(コミュニケーション)、たくさんの遊びを通してお友達とケンカをすること、ほめられたり叱られたりしながら折り合いをつけることなど、人とのやり取り(コミュニケーション)の中で育まれていきます。

 

経験、常識、判断力を備えたはずの成人でさえ、スマホやインターネットに係る犯罪に巻き込まれることは少なくありません。ましてや、社会経験の浅い子どもでは被害に遭うおそれが高いことは言うまでもありません。さらに、社会のモラルやルールが十分に身についていない子どもならば、被害者となる危険はもとより、知らぬ間に犯罪にかかわってしまう危険性もあります。

 

次代を担う大切な子どもたちが犯罪に巻き込まれたり関わったりしないよう、インターネットとどのように付き合うか、子ども自身に考えさせてみてはいかがでしょう?  

 

                             相談支援センターいちばん星 伊豆野