若草学園の実践ブログblog

理解して支援する

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 コミュニケーションについて考えたとき…、身近な所では、おひさまに住んでいる猫のあずきとおもちのことが浮かびます。

おひさまの先生達やたくさんの子ども達と上手く共生しているなぁーと、感心します。(ついつい2匹の話題になってしまいます。)

 おひさまが休みの時は、入所部の先生や子ども達がお世話をしに来てくれるので、慣れない相手とも上手く良くコミュニケーションを取っているのだろうと思います。たのもしささえも感じます。共生するためには、お互いが気持ちよく過ごす事で、そのためにはお互いを知る事が大切だと思います。

 2匹は得意なこと、苦手なこと、好きなこと、嫌いなことが違います。自分の思いをアピールする姿も違います。「同じ日に生まれた兄弟なのに・・。一緒に生活している猫なのに・・。」と思うこともあります。

 あずきの得意なことは時間に合わせて人間と関わっているところです。(個人の感想です。)「なんだか絡んでくるな~」と思っているとおやつの時間だったり、一緒に遊ぶ時間だったり、お隣の部屋に遊びに行く時間だったりするので感心します。もっといろんなことを伝えてくれているのだと思うのですが「はいはい、ちょっと待ってね。後でね。」とつい後回しにしてしまうので申し訳なく思います。

 あずきは、人と積極的にコミュニケーションを取ろうとしますが、おもちはあずきの行動を見ながら後からひょっこりついてきておやつをもらったりします。「おやつが貰えるならいいもん。」と思っているかのようです。

 遊ぶ時も後から入ってきます。おもちが積極的にアピールする場面は、誰かがドアを開けようとする時に勢いよく後ろからドドドっと追いかけてきてドアの前に寝そべったり、誰かが掃除機やコロコロ(粘着テープ)を持って掃除をしていると「オレもして~」と言わんばかりに手足をびゅーんと伸ばして目の前に寝そべる時です。

 ブラッシングが大、大、大好きなおもちは、掃除機もコロコロも同じだと感じているようです。そんな時は、あずきはどっかに逃げていきます。ブラッシングや音のする掃除機は嫌いなようです。相手の「好き・嫌い」「得意・苦手」を考えながら付き合うことの面白さを感じます。「猫の仕草と気持ち」についてはインターネットにも書かれています。猫の事をより理解することができるかもしれません。

 おひさまで生活するおもちとあずき、おひさまで仕事をする私達、おひさまで学んだり遊んだりする子ども達、

おひさまに来てくれる色んな人たち、皆が気持ちよく過ごすためにお互いを理解することに気を配ることが共生に繋がるのだと思います。

 前置きが長くなりましたが、自閉症の人の支援を学ぶ時に「理解して支援することが共生の為の支援を可能にする。その人の世界に入り込むほどのよき理解者になってほしい。」という話があった。その人の特性を理解したうえでそれぞれの機能や能力をできるだけ十分に発揮しながら、地域社会での生活に適応していく事ができるように支援することが、その人の自立につながるのだと思います。私たちは、支援をする上で学ぶことは限りなくありますが、根気よくコツコツ学んでいくことで子ども達に不安や戸惑い、混乱、苦痛を与える事のない支援に近づけられるのではと思います。

 支援する人が「理解して支援する。」という事を色んな場面で意識しながら実践していくことで、生涯にわたる支援につながるようにと思います。

放課後等デイサービスおひさまぷらす  吉田広子