若草学園の実践ブログblog

みんなで作り上げた療育キャンプ

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毎年、おひさまでは、夏休みに小学校3年生のみを対象とした「療育キャンプ」(宿泊)を実施していましたが、今年はコロナの影響でキャンプ中止を決め、保護者さんに中止の通知も出しました…。

 

しかし、キャンプを楽しみにしていた子ども達もたくさんいました。中には、「療育キャンプに参加してから、療育を卒業する!」という思いを持っている子どもさんもおられます。

 

コロナの影響で、イベントや学校行事も全て中止となっている中…

どうにかして、楽しみにしていた子ども達の気持ちに応えられないか?

そんな思いが、どうしても捨てきれませんでした。

 

でも、コロナも心配。本当に実施しても良いものか?

おひさまに宿泊する?日帰りにする?…など、色んな意見を出し合って、悩みに悩みました。

 

結果、今年はおひさまの中(グラウンド)で、「日帰りキャンプ」として実施しよう‼ということに決定。

 

そこからキャンプ担当者は、大忙しです。

9月末にキャンプ実施を決定したのに、キャンプは10/31の予定💦

秋は、通常の療育準備に加え、個別支援計画見直し(モニタリング)の時期でもあり、多量の事務作業が入っていました。

それに加えてキャンプの打ち合わせや企画書作成、材料買い出をして…準備と、本当にバタバタでした。

 

しかし、そんな中でも「宿泊できない分、何かしっかりと思い出に残るものにしたい!」

「子ども達にとって特別なキャンプにしたい!」という思いで、夜遅くまで話し合いを重ねるキャンプ担当者。

 

今年は、「協力して、オリジナルテントを作ろう!」というテーマで、3チームに分かれてテント作りをすることになりました。

3年生のみを対象とすることで、学校が違う、利用日が違う、顔も見たこともない!という初めて会う子ども達が参加してチーム編成をすることになります。そこで、「チームカラーのTシャツを作ったらどうか?」ということに。

チームの色を意識でき、仲間意識も高められる。更に名前を入れることで、お友達の名前も分かる!ということになりましたが…

業者に文字入れまで発注すると、キャンプまでに間に合わない…

 

ゼッケンをつける、アイロンで名前を貼る、直接マジックで書き込む…など色々検討した結果、デコパージュでTシャツを作ることになりました。背中には、「Go To キャンプ」の文字とイラスト、胸には個人の名前を入れることにしました。

 

今年は、場所もおひさまのグラウンドで、さらに土曜日にキャンプをすることになったので、放デイの職員だけでなく、児発の職員も含めて総出でキャンプに参加することが出来ます。せっかくなので職員も含めて全員分のTシャツを作ることにしました。

療育が終わって、夕方からTシャツ作りです。

当日、子ども達がお揃いのTシャツを着ていることを想像しながら、職員で集まってワイワイと作りました。

子ども達と一緒にチームに参加する職員は、チームカラー(赤、青、黄)のTシャツ。裏方でフォローに周る職員は、黒いTシャツです。一枚一枚を手作りで作るには、もちろん時間もかかりましたが、当日の成功を夢見て、「○〇君は、青色だね!〇〇先生は、赤~?」と言いながら作り上げていきます。

本当に忙しい中ではありましたが、皆の気持ちが一つになって、成功を目指して準備を進める…こんな時だからこそ、「チーム力」が問われ…そして「チーム力」を高められます

 

何とか準備も無事に終わり、いよいよ当日を迎えます。

当日は、小学校3年生の13名の子ども達が、全員休むことなく、それぞれのチームカラーのTシャツを着て登園してきてくれました!

楽しみにしていた子ども達。「実際に山(キャンプ)に行かないの~💦」と言う子もいました。キャンプの日程を翌週と勘違いして、本人の予定外(予想外)の出来事に気持ちの整理をするのに時間がかかる子もいました。お友達の名前を覚えて、仲良くなるのに時間がかかる子や、びっくりする程、すぐに打ち解けられる子…など、様々でしたが、

そんな中でも、13人が誰一人欠席することなく、キャンプに来てくれました!!

 

まずは、全員の緊張をほぐすためのアイスブレイクのゲームです。

「ジャンケン列車」や「なべなべ底抜け」「こおり鬼」です。

イメージをしやすいようにフォロースタッフが、お手本ガールズとなって、お手本を見せてから全員で取り組みます。

 

こおり鬼では、スタッフにもサプライズで、鬼役を指名し(もちろん施設長も!)、鬼のパンツに鬼のカツラで、本気の鬼ごっこです!子ども達の速さについて行けず…体力の衰えを感じました💧

 

テント作りでは、作戦会議を行い、どんなテントにするのか話し合ってから進めます。

その後も材料を準備して、手分けして、協力して作り上げていきます。

昼食は、厨房にカレーを準備してもらいましたが、ご飯は自分達で飯盒を使ってご飯を炊きました。飯盒の様子が気になって何度も様子を見にくる子もいました。

午後からもテント作りの仕上げを行い、おやつは、ポップコーンを自分達で作り、最後は、チームでミッションゲーム

 

今回は、児発の職員も参加できることになったので、フォロースタッフとして、専属カメラマンを配置し、食事やミッションの準備係も配置しました。

更に、終わりの会の時に子ども達や保護者さんに、その日の様子をムービーで見て欲しい!ということで、ムービー作成班も配置!

 

私は、ムービー班だった為、アイスブレイクの鬼役以外は、ずっと事務所に引き籠って、ひたすらパソコンとにらめっこ!楽しそうな子ども達の声や食事のいい匂い、そしてパソコン画面で見る、楽しそうな様子…

一緒に外に出たい気持ちをぐっとこらえ(「外に行きたーい‼」と愚痴りつつ…)それぞれの役割を果たします。

 

ムービー待ちで、終わりの会の開始が少し遅くなってしまいましたが、無事に子ども達のテントもムービーも完成し、終わりを迎えることが出来ました

準備から、キャンプ当日まで、本当にバタバタと忙しい日々ではありましたが、頑張った分だけ、達成感もひとしおです。キャンプが終わっても報告書や清算、キャンプのアルバム作り…とまだまだ業務は、山積みですが、来年のキャンプに向けて!より良い資料を残す!子ども達に思い出の品(アルバム、ムービー)を渡す!という事で、担当者含め、放デイスタッフ一丸となって取り組みました。

 

コロナで、予定通りにも、思い通りにも進まなかった療育キャンプでしたが、「何とか子ども達の為に!」という気持ちで、皆で作り上げた「療育キャンプ」。

 

ひとつの命にみんなで寄り添う

 

この法人理念のもとで、作り上げることが出来たキャンプになったのではないかと、改めて感じました。

このコロナ禍もいつまで続くか分かりませんが、「子ども達の為に!」という想いと工夫があれば、乗り越えていけるのではないかと思います!

 

児童発達支援センターおひさま 河瀬