若草学園の実践ブログblog

幼児期だからこそ、大切に!丁寧に!

カテゴリー:若草学園の実践ブログ

年中児のM君は、保育園に登園する際、なかなかお母さんから離れる事が難しく、「いつも保育園の先生から、剥ぎ取ってもらっているんですよ💦」とお母さんから伺っていたので、気になっていました。おひさまにお母さんと登園する時も、お母さんとなかなか離れる事が難しいのですが、保育園という大きい集団での方がよりM君の困り感は強い様でした。お母さんに幾つか関わり方を提案してはいましたが、ご家庭では、仕事、家事、子育てと毎日慌ただしく、なかなか関わりが難しい様で、あまり変化が見られなさそうでした。それからしばらくして、「その後、朝の登園時はどうですか?」とお母さんにお尋ねしたところ、「たくさん構っているのに、朝から離れてくれず、大変でイライラしてしまう💦」という事でした。「もしかしたら、不安からそういう行動に出るのかもしれないし、ちょっとM君と話してみますね!そして、良い方法を考えてみます。M君が、それにハマれば良いですが、私もやってみないと何が良いのかわからないので、もしもダメな時はすみません。また他の方法を考えますね!」(場所、人、時間などの環境の違いもあるので)とお伝えしました。いきなり保育園でやるのは難しいので、まずは、おひさまに登園して来た時から練習を始めましょう!と提案しました。さて、M君への聞き取り開始‼️
M君の本心を聞き出さないといけないので、悟られない様にメンタリストになった気分で話を始めます(笑)ある意味、心理戦です…。「M君、あのさ〜、朝保育園に行って、ママと離れる時、まだママがいいーーー!ってなかなか離れたく無い感じかな?」「うーん。。。」と何か言われるんじゃないかと、本音はまだ出さない感じでした。ここからが一番失敗してはいけない所‼️
「先生、M君の気持ちわかる〜!だってさ、M君はさ、ママが一番大好きでしょ?大好きだから、ずっと一緒にいたいんだよね!」(私も、小さい時、お気に入りのぬいぐるみをこっそりカバンに詰めて、幼稚園に持って行っていたので、M君の気持ちがよくわかります。)と言うと、「そうなんだよ!だってね、M君ね、ママとずっと一緒にいたいんだー!」と本当の気持ちを話してくれました。(この時、あ!僕の気持ち分かってくれるの?と言った表情にパッと変わりました。)ここでM君の心をつかんだら大丈夫!という根拠のない自信が私にはありました。ここまできたら、話は早いです。「じゃあさ、大好きなママをびっくりさせる作戦を先生とやらない?これが出来たら、ママ、きっとM君すごーい!って言って笑ってお仕事いけるよ!やってみる?」「うん!やるやる!」と返事はしてくれましたが、M君はしっかり意識させておかないと、やっぱり違った!と後からまた言い出す事が多いタイプ。自分で決めたんだ!と思い込ませ、やるんだ!という気持ちにする為に、ここで、更に念を押しておきます(笑)「M君、これは、先生と2人だけで秘密で準備して、朝、ママや先生やお友達にサッと離れる事ができるカッコいーい所を見せて、ビックリさせる作戦だよ?できる?」「だ!か!ら!やるって!」とやる気スイッチが完全に入りましたね〜!嬉しいの極み!話が長くなるので、ここからの話は簡単にまとめます。①M君の好きなキャラクターで2ピースのパズルを手作りする。②それを朝からM君とママと別々に持って、M君はおひさま、ママはお仕事に行く。③夕方、保育園にお迎えに来た時に合わせてイラストが完成したら、ミッションクリア!もっとやる気にする為に、もちろん出来ないところもあるので、手伝いますが、一から本当にM君と作りました。子どもに嘘はいけません。①タブレットでイラストを選ぶ②実際にパソコンで見てイラストの最終チェック③印刷④イラストを色んな形で2つに切って、画用紙に貼る⑤ラミネーターし、パズルを完成させる。そして、次の利用日から始めました。(お母さんにも、女優になって少しオーバーにリアクションしてあげて下さい!と打ち合わせ済み)成功するか?不安でしたが、私のそんな不安を解消するかの様に、「はい!ママのパズル。こっちはM君の!」と大好きなママにピースの片割れを渡し、スムーズにお別れしているではありませんか!?あまりのスムーズさにママも私も拍子抜け(笑)でも、嬉しそうにお仕事に向かうお母さんの笑顔が印象的でした。「M君、すごいじゃーん!やれたね!ママ、きっと嬉しいって笑ってお仕事行けたね!」と言うと、「だって、先生とこの前、約束したでしょ!」と自信たっぷりの頼もしい姿‼️それから、毎回色んなイラストのパズルをママに渡し、楽しそうに登園してくるM君です🎶嬉しい事に、この取り組みで、M君は、自信をつけた様で、保育園でも以前よりスムーズにお母さんから離れて登園できる様になってきたそうです!バッチリ集団でも汎化できていてM君の頑張りには拍手です‼️ある程度の年齢になれば、こんなに丁寧に関わる必要はありませんが(経験を年齢分積んできているので)幼児期は、気持ちの切り替えの練習を積み重ねる根っこの部分。スタートを丁寧に関わる事で、ある程度の年齢になれば自分で自分の感情をコントロールする力がつきます。コミュニケーション力がつきます。生きる力がつきます。大事なところは、子どもの気持ちは大切にし、方法を丁寧に伝えていくってところでしょうか?決して優しいだけではありません。怒ったりしないだけで、この関わりの中でもM君はたくさん我慢しなければいけなかったし、きつかったと思います。できるだけきつくならない様に楽しく頑張れる様には工夫したつもりですが。一つひとつクリアしていけばいいんです。急ぐ必要はない。自分のペースで。大人になった時に出来ればいいんです。この関わりを通して確信に変わった事。それは、大人が楽しく関われるなら子どもも楽しい‼️という事。これは、子育てにも言えると思います。一日の中で5分でもいいです。子どもさんと関わる時に、どうしたら楽しく生活スキルを伝えられるか?という視点を持つと、ちょっと子育てに疲れた〜💦という時も、無理しない程度に、でも頑張れる気持ちが湧いてくるかもしれません。先日は、Sちゃんのお母さんに、「同じ服しか着ようとせずに困ります💦」という相談を受けました。こんな感じで関わってみたらどうですか?と提案すると、やってみます‼️と帰って行かれました。また経過を聞いていきたいと思います。お母さんが元気で笑っていたら、子どもも頑張れる事が多いです。泣いていたら子どもも悲しい。(お腹にいる間の十月十日、お母さんと一心一体だったからかな?)だから、お母さん方の悩みもしっかり聞いて、少しでも役に立つアドバイスができたらと思っています。ですから、いつでも愚痴って下さい!私は子育ての応援隊でいたいです。どこまでも。

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 江藤