若草学園の実践ブログblog

「手品!」 児童発達支援センターおひさま(親子療育)

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親子療育で、「手品をやってみよう!」という活動を取り入れてみました。タコ糸と5円玉を使った手品です。一人の男の子に話をすると、ちょうど手品に興味があったようで、すぐに乗ってきました。

 

その男の子は、コツコツと練習したり、できないところを教えてもらったり、手伝ってもらうことが苦手です。やりたい事も途中で諦めてしまう傾向にありました。始める前に、とても難しいから、何回も練習したら出来るようになる事、お母さんに手伝ってもらう所がある事…を話し、それでもやってみるか問いかけると、「やる!」と元気な声。さっそく練習が始まりました。

 

もちろん、最初はうまくいきません。しかし、約束していたので、お母さんと一緒に一生懸命練習しています。いつもは、手を貸そうとすると嫌がってやめてしまうのですが、お母さんが手伝っても嫌がりません。うまくいかなくてもすぐに諦めません。途中、くじけそうになりながらも、いつもとは違い練習を繰り返しています。だんだん上手になり、成功することも出てきました。「すごいね~!」と言われ得意顔。そして、「きらきらさんでもやってみたい」と、自分から言ってきました。…しめしめ。人前に立って注目される事も苦手なので、その経験もやって欲しかったのです。自分から言ってくれるとは♪ 外の先生たちの協力ももらい、次の週、実際にきらきらクラスでやってみることに。

 

一週間の間、家でも練習を繰り返したそうです。明らかに手つきが上手になっていました。自信もあったのでしょう。「早くきらきらさんに行こう!」と意気揚々。実際に行ってドアを開けた途端、みんなの注目が集ると、顔色が変わり、一歩下がってしまいました。それでも、嫌がる事なく、自分から部屋に入り、みんなの前に立てました。「手品をやります」の言葉は聞けなかったけれど、緊張しながらも友達の前でやってみる事ができました。1回目は失敗してしまったのですが、くじけることなく2回目に。笑顔でお母さんと取り組んでいます。そして成功。みんなから拍手をもらい、自信あふれる得意げの笑顔。お辞儀をして部屋を出て、廊下でハイタッチをしました。頑張ってやり遂げた喜びを、本人とお母さん、スタッフで共有した瞬間でした。男の子の成長に心から喜びを感じながら、さてさて次の手は…?と考えている所です。

 

      児童発達支援センター おひさま 児童発達支援事業 松村