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音への過敏さ 追体験

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先日、腰椎の神経の状態を調べるためにMRI検査を受けました。

初めてのMRI検査でしたので、すごく緊張しながら、事前の説明を聞きました。

撮影時間は30分はかかるという事、その間体が動いてしまうと取り直しになってしまうこと、撮影中かなり大きな音がする事、少しでも軽減できるよう音楽を流しているヘッドフォンをつけておく事、などなど丁寧に詳しく説明を受けました。

“身動き取れないですが、痛みの方は大丈夫ですか?” ”狭い所に入るのは大丈夫ですか?”

などの確認をされ、いよいよ機械の中に入りました。

 

閉所恐怖症ではありませんが、マスクもしていて息苦しさもあり、動いてはいけないと思うと余計に不安が募りました。

撮影が始まると突然、耳元で工事現場の鉄骨が落ちたのではないかと思うほどの激しい音の衝撃と振動がドンドン、ガガガガと続きます。

事前の説明を受けて、覚悟もしていたのに激しい音に苦しい思いをしました。

私よりも高齢の方や病状が重い方達もこれを受けていらっしゃるのかと思うとどんなに大変だろうと思いながら、私も自分では我慢強い方だと思っていましたがとにかく早く終わってと念ずるばかりでした。 と言うような体験をして、

この何週間か前、児発の活動の中で、子どもたちの注目がバラバラに外れてしまっていた為に、進行していた私が予告なしに、笛をピーっと鳴らして注目を促したことがありました。その後、活動を続けた後で一人の男の子がとても怒った顔で私に「うるさかった!」「うるさかった!」と何度も繰り返し訴えてきました。何がうるさかったのかよく分からず、みんなの声がうるさかったの?それとも先生の声がうるさかったの?などと尋ねますが、男の子も上手く気持ちを伝える事が難しく、ただ何度も「うるさかった!」と怒るばかりで、ウーンと振り返って考えてみたところ、あの時の笛の音かと思い当たりました。

“笛の音ね!そうでしょう?”と言うとそうだったのか、はっきりはしませんが、多分当たりのようで、直ぐに謝って”急にあんな音がして驚いたよね!笛を鳴らす時は前もってお知らせするから許してね。”と話をして何とか納得してもらいました。

その時は簡単にごめんなさいねと済ませたけれど、自分自身、MRI検査で事前に説明を受けていてもあんなに辛かったのに、音に過敏のある子にとってはどんなに不快で恐怖だったろうと実感し、本当に申し訳なかったです。

MRI検査を受けて音への過敏さの追体験が出来、身をもって知ることが出来ました。

これを機により子ども達の困難さを自分の身に置き換えて感じ、心に寄り添って支援を行っていきたいと思います。

児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 一山