若草学園の実践ブログblog

スモールステップで着実に…

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今年も残すところわずかとなり、一年を振り返る時期となりました🎄

言語訓練を受けているお子さんたちもこの一年でそれぞれのペースで成長され、その瞬間に携わらせて頂けていることに日々感謝しております💕ありがとうございます。

 

今回はAくんの成長についてお伝えしたいと思います。

Aくんは言語訓練を始めて5カ月程になります。開始当初はなかなか目も合いづらく、こちらからの声かけが届きにくい状況で、言葉を発することも少なく自身の思いと違う場面では「No!」と表現することが中心でした。

週1回の言語訓練でやりとりを重ねていく中で、徐々に要求や共感のアイコンタクトや相手を意識して見ることが増え、最近はちょっといたずらをしてこちらの反応を期待して待っていたり、いたずらをする前に笑顔でこちらの様子をうかがったりなど、他者と関わることを楽しんでいる様子もみられるようになっています。

 

そんなAくんはボールを落とすとコロコロと転がっていくおもちゃが大好きです。毎回、「これやりたい!」とリクエストがあります。好きな遊びを通して、「(ボール)貸して」「どうぞ」「ありがとう」「もう一回」などのやりとりの練習(経験)を重ねていき、今ではAくんから「貸して」や「(ありが)と!」「(もういっ)かい!」という発信が見られることも増えています!また、最近は「ひとつお勉強がんばってから(ボール)しようね」というこちらの提案も受け入れてくれることができ、そのおもちゃをモチベーションに他の課題にも取り組めています。

 

しかし大好きなおもちゃで遊び始めると「ずっと遊んでいたい」という気持ちが強く、なかなか「おしまい」ができないAくん。「タイマーが鳴ったらお片付け」と促すも、当初は全力で「NO!!!!!」と「おしまい」を拒んでいました。「おしまい」ができても、残り1個のボールだけはどうしても手放せないこともありました。それでも、「タイマーが鳴ったらお片付け」ということを繰り返し経験していく中で、少しずつ変化がみられるようになっていました。

ある日、いつものようにタイマーが鳴る数分前からこまめに「タイマーが鳴ったらお片付け」の予告をしていたところ、チラッとタイマーを見て残り時間を確認する様子がみられました。そして、いつもの全力の「NO!」ではなく、つぶやくように「No…」と。

すると、タイマーが鳴った瞬間、ピタッと動きが止まったのです!「すごいね!タイマーの音、よく聞いてたね!」と声をかけると、ボールを持って部屋の隅っこへ行ったAくん。しばらく様子を見守っていると、壁と棚の隙間にそっとボールを置いていました。その姿はまるで大事に育てた泥団子を誰にも見つからないように隠しているかのようでした。そこですかさず「すごーい!!自分でボール置けたね!」と褒めると少し照れたような表情をしていました☺その翌週は、タイマーの音でパッとボールを手放し、遊ぶのを止めることができました!!

まだまだ、「お片付け」までの目標達成までは道のりがありますが、日々、経験したことが着実に力になり、ステップを上がっているなと感じることができた瞬間でした✨

 

生活や社会の中で求められることは大きなことかもしれませんが、その目標に向かって、そのお子さんのペースや歩幅に合わせたステップで成長を促すことで、着実に力になっていくのだと思います。時には支援する大人が焦ってしまうことや無理に引っ張り上げてしまっていることもあるのかもしれません。しかし階段を上っていくのはお子さん自身であることを忘れず常に、お子さんの様子や発信に目を向け、耳を傾け、SOSのサインを見逃さないように支援をしていきたいと思います🍀

 

 

児童発達支援センター おひさま  言語聴覚士 佐藤朱加