先日、ペアレントメンター・コーディネーター養成研修を受けました。
ペアレントメンターとは発達障がい児(者)の子育ての経験のある親が、その経験を活かして、子どもが発達障がいの診断を受けて間もない親に寄り添って話を聞く等の心理的な支援を行い、心のサポーターとなる人のことを言います。
高い共感性に基づくメンターによる支援は専門家による支援とは違った効果があることが指摘され、有効な家族支援システムとして推奨されています。
ペアレントメンターは親だからできる親支援として、同じ親として話に耳を傾け(傾聴)、理解し、その経験を共有することで支える支援です。
ここで重要なのは、無条件に肯定的な関心を持ち、共感的に理解し、素直にそれを受容する「まっすぐな心でよくきく」こと「傾聴」です。
研修ではこの傾聴のトレーニングとして傾聴ロールプレイ(4~5人1組で、相談役、メンター役、タイムキーパー、観察者になって実際の相談場面のトレーニングを行う)が行われました。
メンター役になって相談者の話を聞くのですが、「傾聴」するということが大変に難しくて、冷や汗をかきました。普段どうしても支援の方向で物を考えてしまうので、お話の中で「どうしたらよいのか困っていて」と言われると、自分が持っている情報を伝えたくなったり、「保育園の先生はどう言われているんですか?」と事情聴取したくなったり、アドバイスの言葉が次々浮かんでしまうのをぐっとこらえて、傾聴に徹することは本当に汗が出るほど難しく感じました。
ですが、相談者の立場に立ってみると、自分が話している事にただただ共感してもらえて、気持ちをそのまま受け入れてくださるメンターさんの姿勢にほっと安心することが出来て、話して良かった、聞いてもらえてうれしかったと感じることが出来ました。
傾聴するということは障がい児(者)の保護者だけではなく、当事者にも、高齢者にも、子どもたちにも、一般のどんな人にとっても有効で必要な事だと感じました。
私自身にとっても、とても難しいことではありますが、もっと傾聴する力を身につけられたら、仕事上だけでなく、家族関係、社会的にも有効な人間関係を結ぶ手助けになると思います。
頑張って傾聴マスターを目指してみようかなと考えた次第です。
児童発達支援センターおひさま 一山 直子