お盆を過ぎて暑さも幾分か和らぎ、ようやく夏の終わりが見えてきました。子どもたちがキラキラした表情で話すお休みの間の経験、それに耳を傾けるのが楽しみです。
「うみにいったよ!」「はなびみた!」「わたしも!」と盛り上がる中、Nくんが「せんせいはこどものとき、なにした?」と尋ねてきました。話すのに全力投球かと思いきや、他者に興味を向ける社会性に、私は嬉しくなって答えました。「キャンプに行って川に飛び込んだり、森の中に秘密基地を作ったりしたよ。木登りが一番得意だったな」
自然を満喫した子ども時代でしたが、小学校に導入されたパソコンでワクワクしながらお絵かきしたのも忘れられません。インターネットや携帯電話の普及を経て、今や子どもたちも様々な機器を使いこなします。ある大病院の小児難病棟を訪れた時、多くの子どもたちがベッドサイドテーブルに大きなモニターを置き、指先だけで作曲やプログラミングをしていました。作品が優れていれば無名人があっと言う間に有名人になるSNSでは、自身の障害を語る子もいます。伝えたい誰かと知りたい誰かを一瞬で結びつける世界。将来の夢ランキングにはYouTuberやITエンジニアなど昔はなかった職業が並び、きっとこれからも増え続けます。現代を生きる子どもたちの可能性は無限大!
この夏の五感を伴ったリアルな体験は、そんな遠い未来まで記憶の持ち主を支え続けることでしょう。一回り大きくなった子どもたちに、頼もしさを憶える晩夏です。
児童発達支援センターおひさま 髙木明日香