白川の里の実践ブログblog

「約束」

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 10月中旬にリフレッシュ休暇を頂きました。

今回の休暇の目的は志賀島で開催されるマラソン大会に出場することです。

熊本城マラソンが2012年から始まり、TV中継にてランナーの方々が一生懸命走っているのを見て、いつか私も走ってみたいと思うようになりました。

思うだけで実行には移すことが出来ず、月日だけが経っていましたが、今回、「絶対走る」と決めたきっかけがあります。

入職して9年目、その当時から入居されていたA様が今年の夏にお亡くなりになられました。

いつもA様のご面会に息子様ご夫婦でいらしていました。会話の中で、息子様がマラソンをされていると聞き、「私も走ってみたいんです。」と気持ちを伝えたことがあり、面会時はお母様のご様子とマラソンの話をするようになりました。時には参加されたマラソン大会時の写真や愛読されているマラソンの本を持って見せて下さり、「下山さんもこれをみて勉強しなっせ」と本を頂いたこともありました。そんな中、コロナ感染症が流行し始め、面会も制限されお会いして話すこともできなくなりました。

今年の初夏にA様が体調を崩され、ご入院された後、ご退去になり、息子様ご夫婦がお荷物を取りに来られた際に顔をみて話をさせて頂く機会がありました。その際にお母さまがお亡くなりになられたことと、マラソンの話もさせて頂きました。最初にマラソンの話をしてから5年も6年も経っていました。

「本当、お世話になりましたね。ありがとうございました。次は自分たちがお世話になる番だから、それまで元気に頑張って下さいね」とありがたいお言葉を頂きました。

いつもご面会時に、息子様ご夫婦と楽しく会話をさせて頂き、また、その様子をにこやかな表情でみておられたA様が思い出され、いつか走りたいと思っている気持ちだけでなく「有言実行」しなくてはいけないと決めました。

ユニットリーダーに話をすると「初めから42.195㎞はハードルが高すぎますよ。たのしく走れる大会が良いですよ」とアドバイスをもらい、10㎞マラソンに挑戦することにしました。

8月から開始した練習で膝を痛め、大会数日前には大腸炎になり、出場できないかと思いましたが、無事に当日を迎えることができました。坂道や距離が長くなるときつくなりましたが「絶対走りきる」「有言実行」「感謝」と繰り返し呪文のように唱えながら、完走することが出来ました。

いつかお会いした際に、「私、やっとマラソン大会に出ましたよ」と伝えたいと思います。

マラソン大会出場することをいつも応援して頂き、後押して下さったA様、息子様ご夫婦、リフレッシュ休暇中、

ご入居者の生活を支えくれたユニット職員、出場の応援をして下さった上司の方、友人、練習に付き合い、

ゴールで待っていてくれた家族に感謝しています。

私たちの仕事は人と人が繋がる仕事です。

私たちに安心してケアをさせて下さるご入居者、信頼して任せて下さるご家族。本当にいつも、温かいお言葉に励まされ、今回の経験から改めてご縁に感謝いたします。

これからも安心して任せていただけるように職員一同、力を合わせて頑張ります。

 

西館1丁目 フロアマネージャー 下山 亜由美