おひさまでは、1人の子どもの為に個別支援計画会議を少なくても年に2回は開きます
。国のガイドラインに従って児童発達支援管理責任者と直接支援職員とで子どもの生活や
日中の療育活動の中の一つ一つの意思決定場面に応じた対応を基に目標とする課題や支援
内容を話し合います。一つ一つの場面における意思決定が積み重なったものが子どもの未
来の意思決定をつくると想像しながら言葉に表していきます。言葉選びも「子ども自身が
読んで分かるように」「子どもやご家族が取り組みやすいように」「子どもも関わる人も
わくわくするような内容に」と気を配ります。そして、一つ一つの意思決定は、相談支援
専門員が作成するサービス等利用計画の長期目標の実現を視野に入れた決定であるように
相互に関連付けることも大切になります。
意思決定支援とは、自分自身で決められるように、支援者はできることは見守り、でき
ない事だけを手伝うことです。個別支援計画会議で話し合う時も日々の療育の中でも子ど
もの邪魔をしない、子どもの力を信じて待ち、求めに応じて支援するという視点を大切に
したいと思います。支援者は子どもの意思決定場面(発達段階によっては意思形成、意思
表出の場面があります)に立ち合い、思い悩むことが大切なのだと思います。良い支援は
一つではなく、支援に絶対はないと言われます。子どもに寄り添うこと、謙虚な気持ちで
支援すること、どうすれば良いのか考えあうことを大切にしたいと思います。以前受けた
研修で、問題を抱え解決を望んでいる人に対してだと「何か困っていることはありません
か」と声を掛けますが、意思決定を一つ一つ積み重ねてこれから生きていく上で課題を達
成していく人だと思うと「あなたの望む暮らしは何ですか」という声掛けになると聞きま
した。
個別支援計画会議では課題として「自分の気持ちを人に伝えられるようになる。」とあが
ることがあります。子ども達は、生活の中で自分の望むことを言葉に出すのが難しい場面
があります。気持ちはあるけど伝えられず別の行動をとってしまい、誤解を受けて逆に叱
られてしまうこともあります。「何が出来るようになりたいのかな。一緒に頑張りましょ
うね。」と子どもの能力を理解してひとつひとつステップアップするイメージをもってや
りとりを重ねていくことが意思決定支援なのだと思います。おひさまで大切にしてきた「
やりとり」をこれからも丁寧にして「あなたの望む暮らしは何ですか」という視点を色ん
な場面で忘れないようにしたいと思います。
児童発達支援センターおひさま
放課後等デイサービスおひさまぷらす 吉田広子