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社会福祉法人白川園 第2回地域貢献事業「カニングハム・久子先生講演会」~発達障がいの早期発見と理解と対応について~

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平成28年4月1日、社会福祉法の一部が改正され、その中に「地域社会における公益的な取組を実施する責務」と規定されました。社会福祉法人は、税金の免除や助成金等が優遇されていることから、社会福祉に貢献するために営利目的で成り立たない業務もニーズがあれば率先して取り組む使命が課せられています。

社会福祉法人白川園は、平成28年度より生計困難者レスキュー事業をスタートし、平成29年度からは、地域貢献事業の一環として、現代社会の問題にもなっている「“発達障がい”についての講演会」をスタートしています。

今年も、11月4日(日)、米国NYから、カニングハム・久子先生にお越しいただきました。会場は、若草児童学園 楽善(らくぜん)プラザにて開催し、大津町内の保育園や幼稚園の先生、保健師さんなど約120名が参加されました。

今年度は、「発達障がいの早期発見と理解と対応」という演題で、母体の大切さ、生後3ヶ月からの気づき(愛着形成)、乳児期の子どもからのサイン(泣きが止まらない子ども、タッチングの大切さ)、幼児期の遊び方での気づき、育つ環境の大切さ、前頭葉への影響(褒めること、笑顔で関わることの大切さ)等々、たくさんのことを教えて頂きました。オキシトシン(幸せホルモン、愛情ホルモン)、セロトニン(感情や気分のコントロール、精神の安定)、ドーパミン(快感や意欲などの感情、学習能力、記憶力に大きく関係)の大切さなど、専門的な話も大切だけれども、何より、現場で関わる先生方には、子どもに対する「愛(母性愛)」が、とても大切であること。それこそが、スタートラインであることを伝えられました。

長年、米国でコミュニケーション・セラピストとして、様々な研究をしてこられた先生の科学的な根拠に基づいた話は、とてもリアリティのある内容ばかり。今までのアメリカの実情を見ながら、日本人への警鐘を鳴らし続けられているカニングハム・久子先生だからこそ、教えてくださる貴重なお話が満載でした。

来日されると、あちこち廻って日本中を講演されファンの多い先生。昭和ひとけた生まれの潔さにアメリカ育ちのユーモアとチャーミングさも兼ね備えた先生のキッパリした物言いは、厳しいようで、包み込むような慈しみに溢れているので、聞くものを魅了します。ご自身も「25歳で脚を轢かれ、下肢切断者として体験したことが、今の自分を作っている。人それぞれに使命があるのだと、今になって分かる。」というお話は、大変重みがあります。御年84歳のカニングハム・久子先生。中々出会う事の出来ない貴重な先生と出逢えたことに感謝致します。

また、今回、社会福祉法人白川園 地域貢献事業にお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございました。子ども達の明るい未来のために、みんなで力を合わせ頑張っていきましょう!

ありがとうございました。

                 相談支援センターいちばん星  伊豆野良栄