若草学園の実践ブログblog

もう一つの我が家

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休日のある日、2人の卒園生がやってきました。

「あら、こんにちは」「どうしたと?」

「こいつが休みだけん、学園に行こうかって言って!」

休日になると、たまにこうやって遊びに来てくれる卒園生もいます。

この2人の男の子達、1人はA型事業所で働き、来年度は一般就労になれるかもと嬉しい話。もう1人は一般就労して、車と二輪の免許も取り、その日も車で来ていました。2人共、社会人になりよく頑張っている様子が伺え、在園児の思春期、反抗期真っ只中の子ども達にとって、いい見本であり、いい先輩です。

 

 ふと、中学3年生の受験をした在園児の話をしていると、1人が「俺も普通高校に行きたかったなあ」と漏らしました。「そうなんだ」と返しながら、確かにその卒園生は、行く力を持っていたのかもとも思いました。それでも支援学校を選び、通学の為3年間学園生活を送りました。3年間の中では色々な葛藤もあり、どうしてこの学園にいるんだろうと思い悩む事もあったようです。しかし、そんな中でも自分なりに考え、頑張り、職員との信頼関係もあって、立派に就職して社会人になっています。本人に、「普通高校に行かなかったけれど、学園で生活したけれど、結果、良かったんじゃない? 立派に社会人になっているし、こうして学園にも来てくれるし」と言うと、にっこり笑って「そう思います」と言ってくれました。

 

 私達入所の仕事というものは、365日、24時間!!終わりがありません。常に動いていて、誰かが仕事をしていて。問題が起これば夜でも早朝でも電話が掛かり出て行くこともあります。問題を抱える子どもがいれば、四六時中頭から離れず、大変だなあと思うこともしばしば。しかしその反面、楽しかったり嬉しかったり、子ども達と一緒に笑ったり怒ったり泣いたり、密度の濃い毎日を送っています。日々の支援で思い迷う事も多々ありますが、喜びもたくさんあります。卒園生の「ここで良かった」という言葉を聞くと、私達のやっている事は間違ってないんだなと再認識できました。

 

 たくさんの卒園生を送り出して来ましたが、卒園するとわかる学園のありがたさ、楽しさがあるようです。そんな卒園生のためにも、学園は子ども達にとって、もう一つの我が家でありたいなと思います。いつでも遊びに来てください。

 

入所部 松村