若草学園の実践ブログblog

「頑張れる理由」

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今日は、現在入院中の女子児童のお話です。

高校2年生になるMさんは、自分の気持ちをコントロールする事が難しく、不安定な日々を学園で過ごし、秋ごろから入院生活を送っています。

なんとか彼女の気持ちが安定し、少しでも安心して学園生活ができるようにと、学園・児童相談所・医療機関が連携して今回の入院生活は始まりました。

 

先日、Mさんとの面会へ足を運んだ時の事。思いもよらない嬉しい報告を受けました。

「Mさんの存在に助けられてる患者さんがいるんです」

院内の食事のテーブルでMさんと隣同士のお年寄りの患者さんは、これまで食事をまったく摂る事ができず、部屋に籠りきりの生活をされていたそうです。その様子をMさんはいつも気にしていたようで、看護師さんを通じてMさんの心配の声が届けられていました。

Mさんが入院してから一月ほど経った頃から、「Mちゃんが気にしてくれるから」「Mちゃんが心配するから」と段々と食事の席で姿を見せられる事が多くなり、今では毎食Mさんと一緒に食事を摂られているそうです。

嬉しそうに、でも恥ずかしそうにその話しを聞いていたMさん。「すごいね、嬉しいね」と声を掛けると「うん!」と自信に溢れた笑顔が返って来ました。

 

自分に自信が持てなかったMさんが、誰かの『頑張れる理由』になり、またそんな存在になれた自分を認める事が出来ている――。

少しずつ、でも着実に前に向かって進んでいる彼女の姿に、私もまた頑張れる理由を見つけた気がした瞬間でした。 若草児童学園 入所部 (K・T)