若草学園の実践ブログblog

絵馬づくり

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2020年(令和2年)は十二支で言うと「子年(ねずみどし)」です。十二支は中国から伝わったもので、「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」の十二があり、暦や時計を表すものとされていたようです。後にこれを一般にわかりやすくするために動物をあてはめたものだと言われています。この十二支と動物との関係については諸説ありますが、神様が動物たちに競争をさせて、到着した順番で十二支が決められたということが広く知られているようです。この話では猫はネズミに騙されてこの仲間に入れなかったことや犬とサルはケンカしながら順位を競い、その時から仲が悪くなったとされています。また、国によっては猫が干支に入っているところもあるそうです。ちなみに「おひさま」の事業所内には、あずきとおもちという名前の猫がいますが、少なくともネズミよりはみんなに可愛がられています。(ネズミはいませんが、少なくともみなさんはそう思っているのではないでしょうか。でもこの猫ちゃんたちも今では大きくなり、時折イタズラをして困らせることもありますが…)

さて、話を戻しますが、今年の干支である「子年」は十二支では一番目です。「子」は産まれて最初の段階である頭の大きな子どもを表す象形文字で、植物が芽生える状態を表しているともいわれています。(最も古い説によると十二支は生命や植物の生長循環を表すものであったとも言われています) その意味で言うと子ども達の年であるともいえます。そのような子どもたちが今年最初の活動として行ったのが「絵馬づくり」です。絵馬も元々は本物の馬を奉納していたと言われていますが、それがやがて木に描かれた馬や土で作られた馬となり、いつしか今のように木の板にお願い事を書いて奉納祈願する形になったようです。

絵馬は木の板を使いますが、今回の活動では子どもたちが制作しやすい絵馬の型紙を使いました。型紙をハサミで切り抜き、そこに日付や名前、願い事を書き、最後に紐を通して結べば完成です。できた絵馬は事業所内に仮設の「おひさま神社」をつくり奉納することとしました。こどもたちの願い事は様々ですが、自分の欲しいものを願うもの、勉強がもっとできるようになりたいと願うもの、家族仲良くしていきたいと願うもの、自分や家族の健康や幸せを願うものなど様々です。中には前もって願い事を決めていた子もいれば、その場でじっくり考える子もいました。子どもたちは思い思いに願い事を考え、書いていました。絵馬に託した願い事を見ると、普段は話さないような子どもたちの思いが見えて来るようでした。また、仮設とはいえ「おひさま神社」に奉納し、手を合わせて真剣に祈る姿に子どもたちの思いの強さや純粋さを感じました。絵馬は子どもたちが帰るときにはそれぞれ持ち帰ることとしましたが、迎えに来られた保護者の皆さんに絵馬をお渡しすると、我が子の願い事を見られて、そうだろうなと納得される方、こんなことを考えていたとは知らなかったと驚かれる方、家族の健康や幸せを願う内容に感心される方など、子どもたちの思いに感慨をもって受け取られていました。

このような子どもたちの願いや保護者の皆様の思いに、少しでもこたえられるよう子年を新たなスタートの年として、子どもたちの成長を支援していきたいと思いを新たにしました。

余談ですが、持ち帰られた絵馬は、神棚など、自分の目線より高いところに飾ると良いようです。また、お願い事が成就した際には、感謝の気持ちを神社やお寺にお参りされるのもいいでしょうが、まずはお子さんが家族の方に感謝の気持ちを伝えられることが大切だと思います。

若草学園 通所部 

放課後デイサービス「おひさまぷらす」

 治部田 均