若草学園の実践ブログblog

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若草学園では、入所部門の福祉型障がい児入所施設若草児童学園と通所部門の児童発達支援センターおひさま、相談部門の相談支援センターいちばん星において子どもたちが安心して生活できるように支援を考えてその人に合ったサポートを心がけています。そこで目指しているのがワンストップサービスです。ワンストップサービスとは、「複数の場所や担当に分かれていた関連する手続きやサービスなどを一か所でまとめて提供するようにしたもの、様々なサービスを一体的に提供することなど」という意味があります。若草学園ではワンストップサービスの次のステップに18歳以降の生活やサービスに繋ぐという役割と目標があります。長いスパンでの支援で難しさを感じますが、私達は、ご家族と関係機関と連携しながら社会生活を支えていくことでその子の持つ本来の力をできる限り引き出すことに力を注ぎます。

先日、12年間支援をさせていただいた男の子R君が若草学園を巣立ちました。これからは成人の入所施設でサービスを受けながら生活をしていくことになります。支援学校の小学部に入学と同時に若草学園の日中一時支援を利用し、放課後等デイサービス、短期入所とサービスを広げてきました。R君は重症心身障がいがあります。素直でたくましく、支援を受けるというよりもR君が周りの人をにっこり、元気にしてくれました。R君の支援は、R君の五感に働きかけることを心がけながら周りの子どもたちと同じように色んなことを一緒に楽しんできました。長期休暇になると活動も広がりました。プールでの水遊び、温泉、JRに乗って外出、ミキサー持参での外食、ショッピングセンターでの買い物等「なんでもやっちゃえ」とチャレンジしてきたことはR君の子ども時代を少しでも楽しく膨らませることが出来たのではと思います。色んな体験の中でR君はびっくりしたり、好奇心をもってくれたり、気持ちよさを感じてくれたり体と表情で表現してくれました。(今はコロナ禍で活動の制限もありますが「しない」ではなくて「してみたい」から「どうする?」と工夫しながらのチャレンジとなります。)

R君の利用終了にあたって「色んな方々にお世話になって感謝している。家族の生活も特別に変わることなく過ごせた。私は何も苦労していない。」とお母様からお礼の言葉を頂きましたが「R君の支援を沢山の人たちが交じり合ってさせて頂いたことは支援チームをまとめてくださったお母様やご家族のお陰です。」とお伝えしました。あっという間のR君との12年間でしたがR君に関わった人達の輪が次の支援に広がっていくのと同じようにこれからも一日一日の「つながる支援」を大切にしていきたいと思います。

児童発達支援センター おひさま 吉田広子