おひさまの放デイに来ているS君は、年長さんからおひさまに来られていますが、不安が強く、恥ずかしがり屋さん(人見知り)で、自分のこだわりをしっかりと持っている男の子です。
年長さんのころ、お母様手作りのミートボールに顔が作ってあり、皆に褒められたこと(注目されたこと)で、お弁当を食べたくない!となってしまい、みんなと一緒にお弁当を食べられなくなりました。
小学生になり、学校や学童では皆と一緒に給食やお弁当を食べることが出来ていても、おひさまでは食べることが出来ないことが続き…別のお部屋で食べたりしていました。
ご自宅では、低学年までは朝の着替えや食事もお母様に手伝ってもらっていたり、登校班で登校することも難しく、お母様が送迎したり、一緒に昇降口までついて行き、直接先生に引き渡されたりしていました。
お勉強や運動も出来ることはたくさんありますが、上手にやって褒められると注目されてしまうので、おふざけしてみたり、手をあげなかったりとしてしまうところもあります…。
それでも毎日頑張って学校や学童、おひさまに通っていたS君。
3年生の時に学童で和太鼓のイベントに参加。
皆と一緒に堂々とイベントで和太鼓を披露することが出来ました!
(私達もかっこいい、素敵な写真を見ることが出来ました☆)
それをきっかけに、少しずつS君の様子も変化してきました。
自分から「やってみたい」が少しずつ増え、拘りに関しても「まぁいっか」が少しずつ出来るようになったとお母様も感じられる程でした。
おひさまでも、職員とおしゃべりしたり、ジェスチャーで意思表示できることも増えるなど、目に見える成長を感じました。
「和太鼓のイベントに参加して自信がついた…」
大人からすると、ちょっとしたことですが、S君にとってはとても貴重で大きな経験であり、「出来た!」という達成感から自信に繋がったんだと思います。
その後も少しずつではありますが、慣れたお友達と一緒であれば教室に入ることが出来たり、おひさまでもパーテーションの壁で仕切ってあれば、皆と同じ教室でお弁当を食べられたりなど、たくさんの成長をみることが出来ました!先日は、なんと、パーテーションなしで皆と同じ教室でお弁当を食べることが出来ました!!
来年は、最高学年の6年生。
登校班の班長にもなるので不安…と言いつつも、責任を感じて頑張らなければ!という意思も感じることが出来ます。お母様もとても悩まれながらの毎日ではありましたが、S君の成長を見守りながら無理をさせ過ぎずに一緒に頑張って来られました。
同級生と比べてしまうと「ゆっくり」と感じてしまうこともあるかもしれませんが、S君も確実に成長して強くなってきていると感じられます。
私も我が子に対してそうですが…親の立場になると、焦ってしまうこともあります。
そんな時は、「あの頃に比べると、ずいぶん出来ることも増えましたよね~!」と保護者の方と昔を一緒に振り返るようにしています。
ゆっくりではありますが、確実に、一歩一歩成長している子ども達。
これからも私達大人が焦らずに、一緒に悩み、考えながら、子ども自身の成長や可能性を信じ、たくさんの「自分で出来た」を経験出来るように見守っていきたいと思います。
児童発達支援センターおひさま 河瀬