若草学園の実践ブログblog

インクルーシブ教育と療育・発達支援の役割

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コロナ禍の生活の中でも有意義に過ごしたいと思い、本を読んだり資格試験にチャレンジしたりしてみました。「たっぷり使える時間を有意義に使わないともったいない」と思うところに自分の貧乏性な性格が表れているなと思います。「家族との時間も大切、主婦としての時間も楽しみたい」と今後の自分の生活についても考える時間が持てました。
読んだ本の中の療育・発達支援の目的とする言葉に共感しました。療育・発達支援とは、その子どもが「普通の子ども」に近づくためではなく、その子どもがその子どもらしく、持っている力を環境の中で活かし、でき得る限り地域で当たり前の生活を営み、楽しい毎日を送るものではないか。ということでした。
「教育において第一になすべきことは道徳を教えることではなく、人生が楽しいということを体に覚え込ませてやることなのである」(哲学者 永井均)
「生きる理由がうまく見つけられない人に人生が生きるに値するものだと納得させるのは難しい。生きることは楽しいという肯定感が底にないと、自分の人生をしかと肯定できない」(哲学者 鷲田清一)
社会に生きることの意味や自己の価値が感じにくくなっている昨今、子どもに対する療育・発達支援のなすべきことは、「自分と自分の人生に対する肯定感」を築くための土台つくりをサポートすることであると思いました。
「インクルーシブ」について考える機会もありました。「インクルーシブ」とは日本語にすると「包み込むような/包摂的な」となります。インクルーシブはソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)という言葉から来ており、これは「あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないよう援護し、社会の構成員として包み、支え合う」という社会政策の理念を表しています。
「インクルーシブ教育とは、障がいのある子も無い子も共に学び共に育つことが出来るようにしよう、最初から分けずに包み込もう」という概念であり、療育事業所は療育・発達支援の専門機関として、その機能を活かし、所属する集団での子どもの過ごし方をより意識した療育・発達支援を行うことが求められています。それは、実際の保育園、幼稚園、学校の場での有効な発達支援について保育者や先生と一緒に悩んだり、喜んだりしながら、具体的な方法を模索することが大切となります。
 これからも学びを継続して保護者や保育者と子どもの不安や葛藤に寄り添う頼れる存在となれるよう努力したいと思います。

放課後等デイサービスおひさまぷらす  吉田広子