若草学園の実践ブログblog

父親の死

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10月6日(金)の夜、父親が永眠しました。

90歳といえば大往生だったのかも知れませんが、入院することもなく元気に過ごしていただけに、急逝したことが未だ信じられずにいます。

また、何とも父親らしい潔さで、あっけなくこの世を去っていきました。

みんな口を揃えて言われるのが「最高の死に方!!」と。誰の手も借りずお風呂に入り、トイレに行き、自分の事を自分でこなし、自宅の部屋で母親や叔母、息子、嫁等と日常会話をする中、自分の好きな布団で眠るように人生の幕引きをしたのです。

 

父親は、兼業農家をしながら一代で築き上げた水道設備業。4人の子どもの為に、タクシーの運転手を辞め40歳から一念発起し、職業訓練校に通いました。一級設備施工管理技士の資格を取得し、以降、仕事の鬼となり、4人の子どもを育て上げました。

子どもの私から見ている父親は、何事も曲がったことが嫌いな昭和一桁生まれの頑固親父。超のつく真面目さで、こだわりが強く、何でも自分が納得するまで徹底的に追及していく人という、一見マイナスな印象を持っていました。反面、酒好き、子どもが好き、賑やかな事が大好きな父親でもありました。

後に、老後は、大好きだったバレーボールを仲間と一緒に始めたり、相撲甚句や国内外の旅行だけでなく、日常の趣味として柿栽培もスタートしました。元々、学ぶこと、動く(働く)事が大好きだった父。ゼロから柿の栽培方法を学び、太秋柿の美味しさ(糖度)や見た目の美しさを追求し、100本を超える柿畑となり出荷するまでに至っていたことは、父親の性分が成せる業だったのだと思います。何でも仕事にしてしまう仕事人間でした。本当に、「人生、あっぱれ!!」という言葉がよく似合っています。

今回の葬儀を通して、本当に沢山の方に愛されていた父は、愛情深い人だったようです。沢山の方に「優しいおじちゃん」と慕われていたこと、お悔やみに来られ遺影を見た瞬間、泣き崩れられる方の多いこと多いこと…私の知らない父親の姿がありました。

改めて、一人の人間として生きてきた父親の偉大さを感じ、誇りに思います。

相変わらず、泣き虫な私は、このブログを書きながら泣いています。まだまだ、悲しみからは抜け出すことが出来ずにいますが、今の気持ちを大切に、泣くだけ泣くことが私なりの供養の仕方なのだと思っています。1人の人生の尊さを知り、思いを馳せること、心で寄り添うこと、人の温かさを感じました。「一人のいのちにみんなで寄り添う」・・・本当に深い言葉です。

 

お父さん、今までありがとう。 

お父さんの子どもで幸せだったよ。

お父さん、本当にお疲れ様でした。

 

※個人的な内容になってしまったことをお詫びします。感謝の意を込めて

 

相談支援センターいちばん星

センター長  伊豆野良栄