若草学園の実践ブログblog

譲らないという事

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自閉症スペクトラムと知的障がいのあるAさん。会話は出来ませんが、「わ」(分かった)や「い」(いや!)など、言葉の1文字目は発音できる言葉もあります。

行動するときには、自分のタイミングがあり、なかなかこちらのスケジュール(集団生活なので、ある程度生活の時間が決まっています。

例えば、お風呂や食事、学校の準備などです。

ぎりぎり待ちますが、それでも行動に移してくれないと少々私も焦り、急かしてしまい、ついこちらが手をかし、全てしてしまう事が多くありました。

将来を見据えた支援をと考えると、今の支援方法だと、大人になった時に自分で時間にそって生活できるようになるのだろうか?と不安を覚えました。

入所部に移動して11ヵ月、Aさんとも頑張ってコミュニケーションを図ってきたつもりです。そろそろ次の支援をと考えていたので、試しにご褒美を用いてチャレンジしてみました。

Aさんはポテトチップスがすきなので、1つ行動が自分で出来たときには1枚渡して褒める方法をとってみました。

始めは、奇声をあげて嫌がりましたが、根気強く続けることで段々と私の要求も聞き入れてくれるようになりました。

今では、時間は掛かりますが「立ちます。」というと自分で立つ、「着替えます」と言うと着替えてくれる事も増えています。

最近は、私の気持ちも正直に言うようにしています。

「私は、手伝わないよ。自分でしようね。私が、むりやりしたら嫌でしょう?私も無理にさせるのは嫌だから自分でしてご褒美を貰おうね!」と言っています。

言葉はとても分かっているので、私を見て話を聞いています。

譲らない人だと感じているようです。

これからも、一歩、一歩、将来をイメージしながら支援をし、一緒に出来た事を喜んでいきたいと思います。

入所部 江藤