あけましておめでとうございます
旧年中は、ご利用者の皆様、地域の皆様、並びに関係機関の皆様からの温かいご支援とご協力を頂き、心より御礼を申し上げます。
さて、4年目に入るコロナ禍ですが、コロナも色々と型を変え進化しています。見えないウイルスに恐怖を感じながらも、共存しながら乗り越えていく術を考えていかなければなりません。
コロナ禍の中で生まれた子ども達も、3歳になりました。どんな状況の中でも、子ども達は成長し続けています。コロナ禍での出産、育児、子ども達を取り囲む生活環境、生活様式は、大きく変わってしまいました。ほとんど外に出る機会がないまま育っている子ども達。マスク社会で、人の表情も言葉も接触も希薄な状況で育っている子ども達がいます。コロナ禍で、いろいろなモノを「触っちゃダメ!」と教えられている現代。子ども達にとって、とても大切な「五感の教育」を奪っているのではないかと危惧しています。
子ども達の学び(学習)の全ては、五感(視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚)からの入力と言われています。五感が刺激されて、初めて自身の動き(運動)へと繋がります。感覚と運動が関連し、繰り返すことで「学習(=身に付くこと)」が成立します。
五感の刺激は、子ども達だけでなく、私たち大人にも大切なことではないかと思います。ビルの中にあるオフィス内での仕事を見ていると、同じ温度、風も吹かない、外に出てもアスファルト、ドアツードアの車での移動。生身の人間として見たとき、居心地良く居ることが本当に幸せなのでしょうか。
子ども達の場合、本来その年齢で経験しておくべき五感へのインプットを、私たち大人が奪ってしまっているのではないか、五感を刺激するインプット自体が、現代の社会構造に欠けているのではないかと感じてなりません。子どもの問題として、よくスマホやゲーム、タブレットなどが取り上げられますが、子どもの問題ではなく、最初に渡した大人側の問題と捉えなければなりません。
これからの学びとして大切なのは、知識を詰め込んだ頭の良さではなく、どういう状況でも、落ち着いて的確な判断ができること。言い訳せずにその課題に向き合えるコミュニケーション力やネゴシエーション力(交渉すること)があること。また、健全な思考のできる丈夫な身体と体力を持ち合わせていることなのではないかと思います。
「環境の変化は、人を育てる」と言われます。毎年、私たちは、置かれた環境の中で、様々なことを経験していきます。私たちは、自身が経験したこと(インプットしたこと)を、どのように考え、どのように行動するのか、これこそが「学び」なのだと感じます。
様々な変化をどのように受け止め、どのように行動するのかは、自分自身の心の持ち方次第。今年も、新しいことへのチャレンジ精神を止めることなく、どのような変化も受け入れられるような健康な身体づくりと体力を維持し、白川園若草学園拠点として還元していけるよう、幅広くたくさんの学びを深めていきたいと思います。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
相談支援センターいちばん星
センター長 伊豆野良栄