若草学園の実践ブログblog

一人の命にみんなで寄り添う

2017/12/12

私は、放課後等デイサービスくまぽこで児童発達支援管理責任者として勤務しています。

利用して頂いている子ども達には何らかの障害があり、保護者は職員の想像もつかない程の不安を抱えながらも子ども達の生きる力と成長を願って当事務所を選んで下さり、利用されているのを強く感じながら職務についております。

担当している中学生のT君は、2歳の頃から顔面への自傷が酷く視力が低下してしまいました。言葉でのコミュニケーションは難しく、自分の要求や感情を自傷でとっさに伝えている姿が見られます。いつもぬいぐるみを手に持ち噛んでいる姿や手をシャツの中に入れている姿には不安な気持ちを感じます。

今年は、子ども療育センターの指導を受けT君は「自分から動く。自傷以外で要求するコミュニケーションツールを持つ。」を目標にし、職員は『待つ支援』を課題としました。

保護者にもセンターの指導を伝えると「家族も本人の自発的な行動を待ちます。」と言って前向きに受け取ってくださいました。指導を受けて半年間『待つ支援』を職員も保護者も意識してきたことで自傷は少なくなり自分で靴の片付け、連絡帳提出、一人で食事、自発的な挨拶(目を見てお辞儀)をゆっくり時間かけながら取り組める様になりました。

毎日保護者のお迎えの際にはT君の成長した姿を喜び合っています。

T君と家族の不安に職員の知識や観察だけではなくセンターの指導を基に寄り添えた事は良かったと思います。「家族や子ども達が困っている事は何か?」専門的な観察と支援で安心感を持っていただけるようにと思います。

 

   若草学園 通所部 放課後等デイサービスくまぽこ  Y.H

『思いを伝える為に』

2017/12/12

思春期を迎える児童さんの中には、様々な悩みを抱えている事が多いものです。自宅から離れ、若草学園での集団生活、日頃言葉には出来ない時もあるのかもしれません。そんな時、また一つ静かでゆっくりとその日の出来事を整理する時間がありました。それは、就寝前の暖かいお布団に入る時間帯です。部屋の電気を消し、布団に入り、天井を眺めながら会話をする。不思議なもので、職員が横に座っていると日頃皆の前で色々話さない児童さんが、その空間になった途端、解放された様に心の中の扉が開き始め、延々と話が終わりませんでした。私たちはその思いに共感し、思いを汲み取り、明日への活力に繋げなければなりません。心に寄り添う場面を今日もまた探していこうと思います。

子どもの世界に寄り添う

2017/12/11

 私は、昨年の4月より放課後等デイサービスリーライズの職員として、発達に課題のあるお子さんの療育を行っています。日々の支援に携わらせて頂く中で、大切にしていることがあります。それは、「相手の立場にたって考える」ということです。しかし、私自身初めはこうではありませんでした。自分の思いを子ども達に伝えてしまうことが多く、伝わらずに悩み、また子どもの行動だけに着目をした関わりを行ってしまい何度も何度も失敗をしてきました。しかし、ふと日々の支援を振り返った時に、このままではいけないと思い、施設長へ相談をしたことがあります。その時に、施設長から言われた一言ではっとしたことを覚えています。「子どもの世界に飛び込んでみたら」という一言でした。その言葉で、私は、「もしかしたら、これが気になって行動したのかもしれない」や「もしかしたら、学校で何かあったのかもしれない」や「もしかしたら、家で何かあったのかもしれない」など、子どもの立場に立って色んなことを考えるようになりました。それを考えていくと同時に、ただ考えているだけでは何も進まないことや、それをこちらから発信していくことの重要性にも気づきました。学校のお迎えの時から、療育は始まっています。いつもと表情が違うようであれば、学校の先生へ確認を行い、家庭での困りごとがあれば保護者と話をする時間を設け、子どもや家族に変化があれば相談事業所と連携を図るなど、環境を整えていくことの大切さに気づきました。子どもが成長をしていく上では、保護者・幼稚園・保育園・学校・療育事業所・相談事業所・病院など多職種の連携が必要であり、どこか一つが関りを持っておけば良いというわけではありません。何かあったら直ぐに手助けが出来るように、皆でサポートを行い、未来ある子ども達が安心して過ごすことが出来るような環境作りを行っていきたいと思います。

若草学園 通所部 リーライズ 藤崎

「仲なおりできて よかったね!」

2017/12/11

 

 

一ヶ月前から担当の職員と向き合えない高3のCさん。

卒業前と私生活のストレスなのか気持ちのコントロールがうまくいかず、施設では母親代わりである担当の職員に対して声を掛けられても無視し続け、担当の職員も困っていました。

二人のクッションになれないかと思い、三人で話しをする場を設けました。女の子はうつむき顔を上げて話してはくれませんでしたが、今までの思いを代弁したり、聞いたりしているうちにぽつりぽつりと口を開いてくれました。話しているうちにお互いの思いを伝え、勘違いの部分の和解もできました。

心と心がつながった瞬間でした。それまで休止していた担当との交換日記もまた再開してくれるとの事。その後、モヤモヤが取り去られすっきりしたのか「さっきは、ありがとう!」と笑顔で抱きついてきました。「こちらこそありがとう」と伝えました。

素敵な笑顔に出会えたひと時でした。

若草児童学園 入所

 

放課後等デイサービス おひさまより

2017/12/08

 

現在、当事業所ご利用中のお子様は、学習面や対人関係など様々な課題を持っています。その中には生活面も全てにおいて支援が必要なお子様もいます。家族背景や家庭状況などの様々なバックグラウンドの課題もありますが、担当スタッフを中心に、送迎時から事業所での様子、保護者とのやり取りなどの情報共有を行っています。

また、相談事業所や学校・役場・事業所を交えて会議を行う等、現在の子どもの困り感や家庭での困り感などの状況把握を行い、連携を図っています。

片付けが苦手な子はまず、ランドセルの中を一緒に整理しながら直す場所を確認し、チェックシートを用いる事で少しずつ意識付けができ、褒められることが増えました。結果、今では連絡帳忘れが減り、ランドセルの中も整理されています。その子は「私は将来、動物のお医者さんになりたい。」と話してくれました。私は、この子たちが将来自分の夢を叶え、社会で自分らしく幸せに生きて行って欲しい!という思いの中で、私たちが今出来る事は何か?今必要な支援は何か?という事を常に念頭に置き、子どもの個性を大事にしながら生活の中で何に困っているかを知り、気持ちに寄り添いその子に合った支援を行っていくよう取り組んでいます。社会の”生きにくさ“を軽減し、就労へと繋げていく支援を地域や関係機関と連携を図りながら行っていきたいと思います。

 

若草学園 児童発達支援センターおひさま

放課後等デイサービス(錦戸)

きらきらクラス より

2017/12/07

 

利用されている子どもさんの中に人とコミュニケーションを取ることが苦手な女の子がいます。

利用当初は少しでも自分の思いと違うことが起こると自分の思いが通るまで大きな声で泣いたり、こちらの声掛けもなかなか耳に入りませんでした。

お友達との遊びの中でも自分ルールが強く、自分のペースで遊びを展開する為、遊びが長続きしませんでした。また、言葉に不明瞭さがある為、大人は思いを汲み取ることが出来てもお友達には上手く伝わらないこともありました。伝わらない苛立ちから声が大きくなったり、分かって欲しいという思いから強い口調になる為、お友達は怒っていると感じて離れていくこともありました。

まずは私たちが本児の思いを代弁したり、場面に応じた言葉のやりとりを伝えていきました。様々な活動を通して待つことや我慢する力もつけていきました。「まあいいか」や「仕方ない」と思えることが増え、折り合いをつけられるようになってきました。言葉も不明瞭さはあるものの伝わる言葉が増え、お友達とのやり取りに楽しさを感じられるようになってきました。

今では自分から「一緒にしよう」と遊びに誘ったり、お友達のことを気遣う姿も見られています。笑顔がたくさん見られています。お友達との関わりが増えていくことでトラブルもありますが、それも大事な経験です。関わりを通してお友達に優しくされたり、優しくする経験を積んでいます。相手を思いやる気持ちを持てるようになり、人との繋がりも広がっています。大人との関わりも大事ですが、子ども同士の関わりはもっと大事です。子ども同士の関わりの中で学ぶことがたくさんあります。これから生きていく中で大きな力になります。

子どもたちと日々過ごしていく中でこれから先、生きていく中でこの子たちが自分のことを分かってくれる人、困った時に助けてくれる人に出会えたらいいなといつも思っています。支えられたり支えたり、助けられたり助けたり、人と人との繋がりを大事にしながら楽しい人生を過ごせるように少しでも育ちの力になれるように園や他機関と連携を図りながら子どもたちと関わっていきたいと思っています

放課後等デイサービス くまぽこ より

2017/12/06

 

私は放課後等デイサービス「くまぽこ」で働いています。くまぽこには、地域の小中学校や支援学校の子ども達が放課後に通ってきます。

ある支援学校高等部のA君は、卒業後には一般就労も視野に入れて現場実習に取り組んでいました。くまぽこでは将来、社会や地域に出て行くことを考えて予算に合わせた買い物の仕方、公共交通機関を利用しての外出などをプログラムで実践しています。A君には、それらの活動に加えて利用日のリーダーをして欲しいとお願いしました。A君にリーダーをお願いすると、自分のことだけでなく、リーダーとして行動することを自分なりに考えて、おやつの時間に他のメンバーの分の椅子を準備するなど、意識して過ごしてくれる姿が見られる様になりました。また保護者にも、将来を見据えた取り組みを考えて提案することで、家庭で取り組んでいる内容や様子を詳しく話して下さり、今後試してみたいことも提案して下さるようになりました。私は、A君の将来に向けて具体的な支援の内容を他職員と協力して考える中で、これまでよりも前進して考える事が出来たように感じました。それが自分達だけでなく保護者の方と一緒に、同じ方向を向くことが出来たように感じられ時に嬉しさを感じました。これから、この支援の内容を実践していけるように、職員同士で連携を取り合いながら過ごしていきたいと思います。

放課後等デイサービス リーライズより

2017/12/05

 

 

放課後等デイサービスリーライズに5月から勤務することになり、正直わくわくした気持ち・不安な気持ちで一杯でした。しかし、出勤初日でその不安も吹き飛びました。それは、「え?だれですか?」と何人もの子どもが話しかけてくれたからです。

現在7カ月経ちますが、子どもの表情・言葉・しぐさ・視線に気を張りながら、話すように心掛けています。

A君は、当初療育活動は「しない」と話してくれました。それは、活動内容が嫌だったのかと感じました。嫌だった理由は教えてくれませんでした。施設長や職員に相談したり、スキルアップ研修を通して、気づいたことがありました。それは、その日の学校生活や家庭、送迎中、友達関係をちゃんと把握しておくことが大事だと感じました。「嫌だ」という言葉の裏には、色々な背景を見なくてはならないし、A君の得意なことを見逃してはいけないと感じました。

八月の療育キャンプでA君の大きな成長を見て、刺激を受けました。それは、初めて会うお友達・おひさま放ディの関わり方でした。初めは、「療育キャンプいかんし」とA君から聞いていました。しかし、同じ部屋に泊まるお友達と笑顔で過ごし、自分から進んで会話している姿があったからです。夜の消灯まで友達と仲良く話していました。この初めての泊りで知らない人と過ごす時間はすごい貴重な時間だったと思います。もちろん、お友達とも喧嘩することもありましたが、ちゃんとA君は自分の意見を教えてくれました。

その時に、どのような言葉を伝えれば、良かったのか分かりませんでしたが、帰って施設長の話を聞き、喧嘩の原因も分かり、療育に対しての深さを感じていきました。

一人の子どもと向き合うとき、すごいエネルギーを使います。それは、自分の五感に働きかけ、常に子どもの目線に立ちたいからです。職員同士での情報共有や保護者から聞く子どもの家庭の様子や教育の日の訪問時の子どもの様子を見て、職員それぞれ受け取り方や感じ取り方は違うと思います。しかし、子どもの為に何かしたい・子どもが「なんかリーーライズに来ると出来るんだよね」と言ってもらえるように日々職員と意見の交換をしています。

子どもが、「できた」と思える体験をどんどん増やしていきたいと思います。

 

若草学園 通所部 リーライズ 田島