今年度も残すところあとわずかとなりました。この春、おひさまを卒業していくお子さんも多く、限りある貴重な時間を大切にしながら過ごしていきたいと思っています✨
今年度も個別の言語療法に加え、言語相談やファミリー学習会、学校や園への訪問など、様々な形でお子さんたちの成長に携わらせていただきました。お子さんやご家族の支援をしている一方で、私自身もいろんな経験を重ね、多くの学びの機会を頂けていることを有難く思っております。すべての出会いに意味があり、感謝です💕
今回は言語療法について紹介したいと思います。
「言語療法」という言葉を聞いてみなさんはどのようなことを思い浮かべますか?
絵カードを使って机上課題をしているイメージを持つ方も多くいらっしゃるかもしれません。
おひさまでは「言語療法」のことを、子どもたちも職員も「おべんきょう」という合言葉で呼んでいます。
ひとりひとりのお子さんの発達段階や特性、強み、苦手なところなどに応じてプログラムを考え、ことばやコミュニケーション、口腔機能や発音、読み書きなどの発達を促しています。
個別という環境を活かし、集中することや相手に注目すること、苦手なことや初めてのことにチャレンジすること、失敗する経験、失敗や間違いの後の対応、困った時の発信なども実際の課題ややりとり、コミュニケーションを通して経験していきます。まずは自分の気持ちを表現することから相手に伝えること、そして伝えたことが通じ、受け入れてもらえたという経験から信頼関係を作っていきます。そのやりとりをするツールとして絵カードやおもちゃなどの教材を使っていきます。まだ椅子に座って課題に取り組むことが難しいお子さんの場合には、マットの上に座っておもちゃで遊ぶことやふれあい遊びなどから始めることもあります。そのお子さんの発達の状況をアセスメントしながら、「ちょっとがんばったらできる」というハードルを設定しながら、力を伸ばしていきます。
関係性ができてくると、こちらの気持ちや提案を受け入れることができ、お互いの気持ちが通ったやりとりが成立していきます。もちろん苦手なことやできないことの力も伸ばしていくので気持ちがのらないこともありますが、興味のあることや好きなことを活かし、「ちょっとやってみようかな」、「これならできそう」と意欲に繋がるように課題の内容や量、流れなどを工夫しています。自分からチャレンジが難しいときには「先生が一回やってみるから見ててね」や「一緒に1回だけやってみよう?」などと声をかけ、「できた!」、「楽しかった!」という思いで一日の「おべんきょう」が終えられるように取り組んでいます。この思いが次への動機となり、自発的な言動へとつながっていきます。
そして子どもたちは最後にご褒美としてシールを1枚ゲットすることができます☆そのシールも好きなキャラクターなど、お子さんからリクエストがあれば、手作りします!!「次のおべんきょうの時に準備しておくね」と約束をし、約束を守ることでより信頼関係が強くなっていくと思っています。まずはやりとりの中で大人が約束を守ることや相手を信じるという姿勢を見せることも大事だという思いで関わっています。
有難いことに、子どもたちは「おべんきょう」を楽しみにしてくれています☺その思いに応えらえるように日々、自己研鑽をしていきます。
個別以外の時間にも、給食場面では食べる機能についても見せて頂き、クラスの職員と連携を図りながら、食に対する支援も行っております。
また、月に一回、言語相談日を設けております。発達やことば、食に関してお困りのことがありましたら、ぜひご相談ください。困っていることの要因やご家庭で取り組めることなどを一緒に考えていきましょう✨
これからも子どもたちの「できた!」という自信に満ちた輝く笑顔にひとつでも多く出会えるように、ひとりひとりに向き合いながら一緒に成長していきたいと思います🍀
児童発達支援センターおひさま 言語聴覚士 佐藤朱加