東京国立博物館が2022年に150周年を迎えてその記念事業プロジェクトの一つとして、「センサリーマップ」が制作されたという記事を見ました。
センサリーマップとは感覚過敏など、感覚情報処理に特徴のある方が、安心して施設を利用できるように、光や音などの感覚情報を表したマップのことで、大英博物館やメトロポリタン美術館などではすでに導入されていましたが、日本の公共施設で初めての試みだったそうです。
この記事が載っていた冊子にQRコードが載っていたのでYouTube動画の「センサリーマップを使って、トーハクを歩こう」を見てみました。
タブレットを使って建物の情報を見ていくとマップに座れる場所、音の刺激、光の刺激について色分けしてあったり、椅子のある場所のピクトグラムが示されています。エントランスの「音情報」を見てみると、音の刺激の強いところは水色で表してあります。
エントランスはコンサートホールのように音が響くので混雑している時間帯やアナウンスがある時間も記されています。
「光情報」は眩しいデジタルモニターがある場所はオレンジ色で示してあり、また、自然光が入るところは黄色で示してあります。
屋外のマップもあり座れる場所や、鳥のマーク(鳥が見られる場所、鳥の囀りが聞こえる場所)も示され、自然の音に触れ合うこともでき、鳥の苦手な人はここを避けることができます。
事前に調べることで苦手な場所を避けたり、休まる場所を確認して対策を立てることができます。
不安をコントロールするアプローチの一つとして物事の理由が示されたり、あらかじめの情報から見通しが持てると不安が緩和されるので、マップと併せて、WEBサイトには、建築材料や構造の説明、展示室・展示物によって明るさが異なる理由などもわかるようになっているということでした。
この翌年には九州国立博物館でもセンサリーマップが制作されたということです。
このように感覚情報処理にに特徴のある方が安心安全を感じながら参加できる環境が増えていくと良いですね。
この記事の最後にセンサリーマップの考え方は、普段の生活環境にも取り入れることができるので、「自分のセンサリーマップ」を作ってみると、何か発見があるかもしれません。とまとめてありました。
九州国立博物館のあんしんガイド
児童発達支援センターおひさま 一山