6月中旬より、父がオカメインコと一緒に暮らすようになりました。
4月の雨の日、庭で巣から落ちてずぶ濡れで震えていた幼鳥を見つけた父が連れてきたことが始まりでした。
悲しくも2日程で亡くなってしまいましたが、一生懸命に幼鳥の世話をしていた父を見て、「小鳥を飼ったら・・」と私が何気なく言ったことが父の心を動かしたようです。
父の普段の生活が寂しいことを小さな命が支えになるような気がしたのです。
それからは、さっそく小鳥屋さん探しから始まり、どんな小鳥が良いか動画をみたりしてやっと父の目にかなった赤ちゃん小鳥が父の元にやってきました。
5月16日生まれでオカメインコの名前はピーちゃんです。
家に来た頃は朝昼夕とさし餌も必要で、高齢の父にできるかなとも思いましたが、何とか必死に頑張って餌を作り、スプーンで口の中へ食べさせていました。
しばらく日にちが過ぎて、餌やりも朝昼夕が昼夕、夕となり、7月末には自分で食べるようになっています。
ピーちゃんは、父を親と思っているのか、父の姿を見ると「ピーピー」と鳴いて甘えています。
かごから出ると、父の禿げた頭に飛んで行き、じっと回りを見渡しています。
父がマッサージチェアで眠り込んでいる時も、お腹の上でじっとしています。
そんなピーちゃんを父も可愛いらしく、夜は寝室に連れて行って寝ているほどです。
昔からの父は頑固で厳しく、孫でさえあまり寄り付けない存在でした。しかし、数年前に母が亡くなり、一人暮らしとなった今、父にはオカメインコのピーちゃんが癒しになっているのか、とても穏やかな表情をしてお世話をしています。
毎朝、水や餌を交換し、「ピーちゃん、ピーちゃん」と言う声は、子供や孫たちにも言ったことがない優しい声です。
以前、アニマルセラピーが白川の里であった時に、いつもは無表情のご利用者が、温和な表情になり、笑顔で動物に触れ合われていた頃を思い出し、動物の大きさには関係なく、小さな鳥でさえ、人の心を動かす魔法を持っているのだと思いました。
毎週末、鳥かご掃除が増えましたが、父やピーちゃんの姿を見ることで、私の心も癒され、リラックス効果もあるように感じます。
コロナが落ち着き、以前のように自由に動物に触れ合うことができ、又アニマルセラピーが開催できるようになれば・・と思っています。
居宅介護支援事業所 春間久美