私は、白川園の「ひとりのいのちにみんなで寄り添う」という理念を常に頭の片隅に置き、仕事に取り組んでいるつもりです。
しかし、数学のように1つの答えがない、この難問にはいつも、どう向き合っていくべきなのか?と・・・あれこれ考えてしまうのが正直なところです。
しかし!仕事は毎日あるし、大好きな子ども達もやって来る。
時間は無駄にはしたくないし、待ってもいてくれない。(家事と同じですね♪)
自分の中で出来る事から、取り組んでいく事で何か気づけることがあるかもしれない。
この1年、「みんなで寄り添う為に、まずは、丁寧に関わる事を頑張ろう!」とまずは、自分から今まで以上に意識し、取り組んできました。その思いや療育としての捉え方など、チーム内に伝え、みんなで語り合ってきました。
そして、1年が経とうとしている今、チーム内での共通理解が形となってきつつあるなぁ・・・と感じています。それの事例を紹介したいと思います。
★タオルを手に持っていないと大泣きしてしまうS君。
4月から、どうアプローチしていけば、タオルが無くても楽しく過ごせる様になるのか?S君の1日を観察しながら、タイミングを考えていました。
来年度から幼稚園に入園(年中組)すると、保護者さんと決めていたので、入園するまでにはタオルが無くても、おひさまで楽しく生活できる様に!と今まで取り組んできました。
なぜ、幼稚園に入園までに・・・と考えたのかは理由があります。
・S君と生活を共にしていて、出来る!と感じたから。
・年中組で入園となると、5歳になる歳で、周りを見る力が付いてきますので、他の子ども達か ら、「赤ちゃんみたい」と言われる可能性がある事。それが原因で、幼稚園に行きたくない・・・という事に繋がってしまうのではないか?と感じたから。
・「タオルを洗いたい。」とお母さんも思っていた事が分かったから。
そして・・・自分なりにチェックした事があります。
【チェックした事】
・S君が楽しくおひさまに通えているか?(おひさまで安心して過ごせているか?)
・どの時間だったら、タオルを離せそうか?
これをS君がクリアしている事が分かったからトレーニングを始める事にしました。
何かを伝えたい時、大人の気持ちだけで突き進むのは違います。一緒に頑張るモチベーションが
大切です。だって、一緒に戦っていくわけですから♪
【取り組み】
1.タオルが床や地面についていたので、お母さんに頼んで半分の長さに縫ってもらいました。
これは、すんなりクリア。
2.S君と会話をしている時に、少しだけタオルを離してみた。(これも気づかず、すんなりクリア)
3.本人に話をして、朝のお集まりの時は棚に置いて参加する事を提案。(気分の良い時は、出来る。)
4.お集まりでタオルが無くても大丈夫になったら、主活動の時間も話をして棚に置いておくことにした。(チラチラ見て、ある事を確認していた。)
5.午睡の時だけ、使用する事にした。
6.洗い替えのタオルを持って来るようにした。
7.タオルでなく、小さなミニカーやぬいぐるみに変更した。
この様に、少しずつ少しずつ、丁寧に段階を踏んで伝えてきた事で、今では、タオルは「家で待ってくれている。」「家で使う物」という認識に変わったようです♪
これで、4月の入園に向け、1つ、安心材料ができました!
S君、私達スタッフ、そして・・・保護者さん。
みんなで頑張った結果です。
これからも、「丁寧にみんなで・・・」を忘れずに関わっていきたいと思います。
それが、法人理念に繋がっていくと思っています★
児童発達支援センターおひさま 児童発達支援事業 江藤