支援に困った時に「子どもの世界に入り込む」と言われることがあります。
どんな事だろうか?と実感がわかず言葉の示す意味が分からずにいました。
調理プログラムの日の事でした。下校してきたS君はとても張り切っていました。
まずは連絡帳を提出して、さっさと着替えを済ませ「さあーやるぞー!」と意気込んでいます。バックの中を覗き込み、「えー⁈」のけぞって残念がっています。「どうしたの?S君」と声を掛けましたが床に寝そべり「いや いや」というばかり・・・。
職員同士で「なんだろう?」と話していると一人の職員が「エプロンを忘れたからじゃないかな?調理が好きだから、今日は楽しみにして来てくれたんだ」と気づいてくれました。
ということはエプロンがあれば解決だね。という事になりましたが予備のエプロンがない‼さてどうしよう・・。S君のテンションはマイナス方向へ向かっています。
「どうにかしてあげたいね」という気持ちである職員が「これどうかな?」と即席エプロンを作ってS君につけてあげました。スポーツタオルにスズランテープをクリップで付けて何となくエプロンになっています。最初はスズランテープのシャラシャラが気になって「いや」と言って外そうとしていたS君でしたが周りで職員が「わー かっこいいエプロンね」と盛り立てるとまんざらでもなくなって、ちょっとご機嫌になりました。調理も最後まで即席エプロンを付けたまま参加出来ました。
その子のその時の気持ちに入り込み「何?何?どうした?」と少々、野次馬根性で首を突っ込み、子どもと一緒に「どうする?どうする?」と一緒に考えて最後は笑いに変える。
というのも楽しい時間だなと思いました。
「こうした方がいいよ」とアドバイスするのも良いのですが一緒の立ち位置で一緒の目線でその時を過ごすのもその子も成長のスパイスになるのでは?と思いました。、大人も子ども笑いは大切ですね。
若草学園 通所部
放課後等デイサービス
おひさまぷらす
吉田広子