先日、熊本県内でおき、新聞にも掲載された、高齢者施設での虐待事件について感じた事を書きたいと思います。皆さんも目にされたとは思いますが、この施設では体調不良の入所者6人を病院受診させないなどの介護放棄や、約20人の入居者に対する緊急性のない身体拘束に加え、日常的な暴言や暴力などが繰り返されていたとのことです。
こういったニュースを聞くたびに、驚きと同時に胸が痛くなりますし、こんな対応をする高齢者施設が本当にあるのかと信じられない思いが致します。
しかし、それと同時にこういった事件が起こるたびに、施設に要介護高齢者を預けているご家族は「自分の家族は大丈夫だろか、こんな目にあったりはしていないだろうか」ととっても不安な思いをされるのではないかと思います。私自身も祖母が入院をしている際お見舞いに行くと、内出血があったりガーゼ保護の処置がされていたりすると、どんなちいさな事でも「どうしたんだろう…」と不安になっていました。どうしたんでしょうと聞いても、スタッフの方もイマイチ把握していない様子で、あいまいな返答が多く、そうなると不安がつのります。
わたしたちの施設でも内出血や剥離、転倒などの事故は、十分気を付けていても起こってしまうことがあります。そういったことに関しては、ほとんどのご家族が理解してくださってはいますが、それでもしっかりとした状況の説明、再発防止策などをご家族に連絡することは本当に大切なことだと思います。現在は、コロナウイルス感染拡大防止の為、面会もお断りしている状況です。ご家族は直接お会いできず不安に感じている状況下において、虐待などのニュースが飛び込んでくると一層に不安な気持ちが生じてくると思います。そういったご家族の気持ちを考慮し、どんな小さな事であっても誠意をもって連絡を密に行う事で、すこしでも安心してもらえるように配慮していかなければならないと思います。これまで、ユニットの職員が、家族連絡を密に行っていることで、ご家族や成年後見人の方々より「この大変な中、しっかりと守ってくれて助かります。職員の皆さんのおかげで私たちも安心して生活できます。ありがとうございます」といった感謝やねぎらいのお言葉を頂き、本当に嬉しくもあり励みにもなります。
今後も、白川の里のチームの相談員として、チームケアを大切にし、ご利用者やご家族から信頼され、安心と安全を提供できるよう、努めていきたいと思います。
生活相談員 飯星